S-S結合の均等な軟化を目指しても、コルテックス内部には切断されずに歪みを持つS-S結合も多く残ります。
クリープ期の特徴として、中間水洗によりアルカリが取り除かれた状況下では、還元剤ですでに切断されているSH基それ自身が還元剤として機能し、ドミノ倒しのように内部のS-S結合を繋ぎ代えていくことが知られています。
これを「SS/SH交換反応」と呼び、食品の熟成にも利用されます。
パンやうどんを良くこねた後で濡れたさらしに巻いて低温蒸し状態に置くことで、もちもちの粘弾性が生まれるのも、この「SS/SH交換反応」を利用しています。
この熟成反応はコルテックスのダイナミックなズレよりも時間がかかり、水洗後10~15分ぐらいのクリープ期が必要とされます。